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歌、時々ピアノ弾き語り。飛騨の大自然に囲まれ育ち、湯煙る下呂温泉出身のボーカリストです。Flux and Flowの人。愛知県を中心に活動中。
by yuzu_voice

『この世界の片隅に』

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『この世界の片隅に』

昨年末、知り合いから凄く良いという話は散々耳にしていて、
けれども、なかなか映画を観に行く時間の隙間が取れないことにかまけて、なかなか行けないでいて。
オススメしてくれた知り合いのライブを聴きに出向いたら、
映画の中で“コトリンゴ”が歌うザ・フォーク・クルセダーズ『悲しくてやりきれない』を歌っていた。
音楽ってやっぱ凄い。彼らの音には、人を通して通過してくるものがあって、これは、観に行かなきゃいけない映画だと感覚的に察知して一度観てきた。そしてまた今日もアゲイン。

この歳になって、
ドングリの背比べのように過ごしてきた友達がいて、今は大半が結婚して子供がいて、そうで無い子も、夢を追いかけてたり、日々を一生懸命生きてたり。
「生きる」って何だろう
「幸せ」って何だろう
なんて答えの見えない人生のテーマが特に最近クローズアップされてるからか、
主人公すずの周りを繰り広げる、その時の「あまりまえ」の日常。「あたりまえ」の感覚。
そんなんが、グッときたのかもしれない。

戦争の事は祖父母から聞いていたけど、やはり生前もそこに誇りを感じていたし、
戦争は良く無いものとされてる今では無い感情で、
母は外国人で苦労した事は「話しても何にもならないから」と話さないけど、壮絶な苦労はしていたのは、幼いなりに感じてて。
たまに今でも「そんなに苦労したのに、何で前向きで聡明なの?」って母に尋ねると
「それでも生きてかなきゃならないからね」って。

そんな中でも生きていく現実はあって
あたりまえを
あたりまえに生きる強さを
今更ながら身に染みて感じる事が出来る映画でした。

凄く辛い事もあるけれど、
例え、嘘を付かれても
裏切られても
泣く事はあるし、歯も食い縛るけど、

私は今日もしっかりと笑って生きていきたい。


人それぞれこの映画から感じられる感覚は十人十色。見るたびに、新しい感情や感覚に気付かされるし。なかなか、そういう映画は無い気がします。
今でも満席だし、エンドロールで帰る人が1人もいない。
きっとみんな、すずとその時間を旅した2時間なんだなと。そして、その人の日常に降り立ったんだなと。

勝手に、色々な人に薦めてるんですが、
もし、このblogを見てまだ劇場に行って無い方がいたら、是非ともオススメしたい映画です。
時を超えた名作だと思います。

映画の向こう側の気持ちを綴りましたが、
「のん」の声の表現が素晴らしいし、
コトリンゴの音楽も全体になってる。
想像を駆り立てる描写と、
無理の無いアニメーション。
戦争という途轍もなく大っきなタイトルを、作品のなかで、その日常に入り込めて、涙がこみ上げる、歯をくいしばる。けど笑える部分もあって。

一度、すずに会いに行って見てください♪


by yuzu_voice | 2017-01-16 16:35 | movie | Comments(0)